紙芝居をつくる (小学生)「パンをふんだ娘」

パンを踏んだ娘 

アンデルセン童話

あとりえこも編集

 

昔、あるに 子供のない パン屋の夫婦がいました。
おいしいパンを焼くと 評判のこの夫婦でしたが、子供が無くいつも寂しく思っていました。


あるとき 夫婦はインゲルという 孤児院育ちの女の子養女を迎えることにした。
インゲルは 色が白くて 金髪の美しい、誰が見ても綺麗な子。だから、自分のような綺麗な子は どこかのお金持ちの家に引き取られて、何不自由なく 幸せな毎日を過ごすべきだと思っていた。インゲルは金持ちでないパン屋の夫婦の下に、渋々でしたがくことになりました。
 夫婦は嬉しくて 綺麗なインゲルをお客さん達に自慢しました。

その中に 村で一番のお金持ち 地主さんの奥様がいて、インゲルの美しさに驚いて ぜひ行儀作法を仕込みたい と 言ってくださいました。 

夫婦は 大変 びっくりしましたが なんとありがたいことと喜びました。インゲルも地主の奥さんに取り入るチャンスなのでたいそう喜びました。
  インゲルは 毎週 日曜日 朝早くから パン屋の夫婦が用意してくれた一番いい着物を着て 地主さんのところに出かけていきましたが、長くて退屈な牧師さんの説教を聞いたり お祈りを覚えたり。読み書きの練習、テーブルマナー、縫い物のお勉強は本当に 退屈で 堅苦しいことばかりでしたも、 地主の奥さんに気にいられれば パン屋の家を出られると思い、インゲルは一生懸命 我慢した。 そのうちインゲルはわがままになっていき、パン屋の夫婦が用意してくれた服がやぼったく 田舎くさく見えるので 夫婦に文句をいうようになりました。また、お店の手伝いもせ自分の部屋で あれこれ 着るものを選んだり、髪の結い方を気にしたり 自分を飾ることばかりに夢中になってました。

そんなある日 おかみさんが インゲルに 「お母さんの代わりに 地主さんのところへ パンを届けておくれ。」と 言いつけました。
インゲルは 最初 嫌がっていましたが、地主さんのところお茶でもご馳走になろう と思い 綺麗におめかしして 出かけました。
その日の前日は とても ひどい雨が降って 道は あちこち ぬかるんでた。
 インゲルは 水溜りをよけながら 綺麗な靴を汚すまいと 大変 気を使って 歩いてたが、 どうにも越えられないほどの大きなぬかるみに でくわしてしまった
インゲルは一瞬困りましたが、気を取り直して、スカートをつまみ 綺麗な靴を気にしながら なるべく 浅めのところを 歩こうと 一歩を踏み出した。ところが ぬかるみは 思ったよりも深く、インゲルはたちまち立ち往生してしまいました。

そんなある日 おかみさんが インゲルに 「お母さんの代わりに 地主さんのところへ パンを届けておくれ。」と 言いつけました。
インゲルは 最初 嫌がっていましたが、地主さんのところお茶でもご馳走になろう と思い 綺麗におめかしして 出かけました。
その日の前日は とても ひどい雨が降って 道は あちこち ぬかるんでた。
 インゲルは 水溜りをよけながら 綺麗な靴を汚すまいと 大変 気を使って 歩いてたが、 どうにも越えられないほどの大きなぬかるみに でくわしてしまった
インゲルは一瞬困りましたが、気を取り直して、スカートをつまみ 綺麗な靴を気にしながら なるべく 浅めのところを 歩こうと 一歩を踏み出した。ところが ぬかるみは 思ったよりも深く、インゲルはたちまち立ち往生してしまいました。

ドロの底に落ち込んだ インゲルは、あまりのことに 泣き出してしまいましたが、しばらくすると、ここから出られないかと 辺りを見回し始めました。
ただ一つ 高いうえのほうに小さく 丸い穴があって そこから 光りがさしているのが見えました。しかも その穴は 見ているうちにどんどん せまくなっていくではありませんか・・!
 インゲルはがすっかり閉じてしまったら もう 二度とドロの中から出られないと 思い、地主さんのところで覚えたお祈りを 泣きながら唱えました。すると かすかな声が聞こえました。
「お前は 傲慢で わがままだ。親切なパン屋の夫婦の気持を踏みにじり、彼らの大事なパンを 自分の足が汚れないように 泥除けとして踏んだのだ。お前のした罪は重い。」    

 インゲルはパン屋の夫婦にした かずかずの ひどい仕打ちを思って ふかく後悔して泣きじゃくりながら、許しを求め、罪を償えるか 訊ねました。 
 すると 声は いいました。「よろしい。それほどに言うのなら お前をここから出してやろう。しかし もとの姿ではない。お前は じぶんのしたことが どれほど 大きな罪であったか これから 知るだろう。」

⑥インゲルがいなくなってから 初めの冬がやってきました。
外は 毎日冷たい霙が降り、北風がぴゅうぴゅうと泣き叫ぶように 吹き荒れました。
 パン屋の夫婦は ずいぶんとインゲルを探し回りましたが、村の誰に聞いても行方が知れず 何の手がかりもありませんでした。夫婦は とうとう諦めて、また 元の さびしいふたり暮らしになってしまいました。

 あるとき おかみさんは 店の前を掃除していて あることに 気がつきました。
 おかみさんの はき寄せるパン屑がたまるところに いつも 一羽のすずめが 必ずやってくるのです。そのすずめは お上さんの掃除が始まるとすぐにやってきて 集められたパン屑を小さなくちばしで拾っては屋根の上にもっていき、また すぐに 戻ってきてパン屑を拾い、そして何度も屋根に運んでいくのです。

屋根には 冬で食べ物困っている鳥達が あちこちから集まってきてすずめの運んだパン屑を おいしそうに 食べるているのでした。
 しかし あのすずめだけは ちっとも パンを食べません。 おかみさんが 少し大きめのパン屑を放ってみるのですが、それも屋根に持っていき 他の鳥達に食べさせてしまうのです。
おかみさんは不思議に思いながらも そのすずめが気になって 毎日 すずめのためにパン屑を こしらえてやるようになりました。
そうです。 あのすずめは インゲルだったのです。
 あの泥の中で インゲルに聞こえてきた声は 「人が気にもとめない ゴクありふれたすずめになって 毎日 自分が踏んだパンと同じ重さになるまで パン屑を 鳥達に食べさせ続けるが良い。
 それが叶うまでは 美しい姿とは 縁のない格好で、寒い冬の間 一口も 自分のためために食べず、誰にも気にとめらる事もなく 過ごさなくてはならない。そうすれば お前のしたことは 許されるだろう・・。」 と いったのです。
 すずめのインゲルは 言われたとおり 冬の間中、せっせと パン屑を拾い集めているのでした。

ある暖かな日の朝のこと。店の前を掃除するおかみさん あのすずめが飛んできましたが、 きょうは また どうしたことか いつまでも 纏わり着いて離れません。
おかみさんは うるさくなって手で払いました。でも、すずめは、かえって おかみさんの周りを飛び回り続けるのでとうとう おかみさんは ほうきを振り回して追い払いました。
すると ほうきはすずめにあたって 目を回したすずめは 地面に落ちてしまいました。おかみさんはあわてて拾い上げようとしましたが、すずめは さっとおき上がり、チュンっと ひと声なくと 天の高みを目指して飛んでいった。
おかみさんのエプロンには 昔 インゲルを胸に抱いた時、インゲルの金色の髪の毛がついていたのと同じように ひとふさの 薄茶色のすずめの胸毛が 風になびいていました。 
おかみさんは すずめの行方を 目で追いながら、じっと たちつくすばかりでした・・。