むずかしい課題です。
時間のとれる方が挑戦してください。
つかったもの
- ガラスのコップ
- えんぴつ (H、HB、2B) 見本はほとんどHを使いました。
- 消しゴム、ねりけし(桜道の岸屋で販売してます)
- 画用紙(A3サイズの画用紙を半分に切りました)
- イーゼル(希望者に貸し出します)
どうしてむずかしそうなガラスのコップをかくのか?
むずかしくて、よく見ないとかけないからです。
見ることをつきつめようという考えです。
3つのコップを並べました。
写真をみて重たい順番を言えますか?
一番重いのはガラスのコップ。次がアルミのコップ。一番軽いのは、プラスチックのコップですね。
写真を見るだけでわかるのは、これらの材質で出来たコップを実際に持ったことがあるからでしょう。
何グラムかまでは言えませんが、重さの感じを覚えていて、画像を見て思い出せると思います。
わたしたちは目で見るだけで、おおよその重さも感じられます。
お菓子の箱の絵を見て、お菓子の味を想像することもできます。
お肉を見たらお肉の味を思い出します(おなかが鳴って、唾液の出る方もいます)。
人間にとって何かを見るということは、何かを感じることだと言えないでしょうか。
そして、何かを見てえがくということは、何か感じたことをかくことだと言えないでしょうか。
でも、絵をかく時に必ず特別な何かを感じる必要はないと思います。
どんなことを感じたかよりも、感じたことが素直に表われること。それがとても大事なことだと考えます。
コップの前に座って、コップの重さ、触って指先に伝わる感じがかけないかと、ちょっと頑張ってみる。
こんな感じ、あんな感じというのは、なかなか描けないものです。
描き方は今日は説明しません。おうちにあるガラスのコップが今日は先生です。
とらえどころのない先生だと思いますが、先生の特徴を少しだけ説明します。
上下のコップの写真を見比べてください。
下のコップは少し右に傾いてます。なんだかちょっと気持ちわるいでしょう?
気持ちわるいのが嫌な方は、まっすぐ置いてあるようにえがきましょう。
ところで上のコップの写真の真ん中に目のような模様が浮いてます。
これは一体なんでしょうか。
コップを少しのぞき込むと、模様のかたちがかわります。
ここで実験です。
コップの底に、赤い紙を丸く切って置いてみます。
お顔の位置を動かすと赤い紙の形が変化します。
ガラスのコップの中にみえる模様は、透けてみえたコップの底です。
ガラスの中を光が通過する時、(ほとんどの場合で)ガラスの中に入る時と出る時で光の進行方向が変わります。
(理科で習う屈折のことです)
もう一つ難しいことを言いますが、様々な画像、映像、風景は光になって私たちの目に届いています。
それで、底の(形の映像)はガラスを透してみた時に変形してしまいました。
コップの中にまっすぐな鉛筆を立てました。
屈折によって鉛筆が変形しています。
また、屈折の仕方で変形具合が変わります。
屈折の仕方がガラスの形によって変わることも説明しておきます。
コップの縁や、底は、表面の形が大きく変化しているところです。そのために人間の目にコップの映像が届く時に複雑な縞模様が見えたりします。
話が少し戻りますが、底の形(赤い紙)が、一瞬、雪だるまのようなかたちに見えるのは、コップの側面がくびれていて、光(映像)がそこを通過する時に歪んでしまったからです。
なんとなく、ガラスのコップの特徴がつかめたでしょうか。
おうちのコップは保護者の方に相談して選びましょう。
また、形にも注意して選びましょう。
選んだら机の上にコップを置いてみましょう。
白い紙の上においたり、何かの模様の上においたりするだけで、印象が変わります。何の上に置くか選びましょう。
直射日光の影響も受けるので、日光が直接あたる場所は避けます。
それから、出来るなら明るい窓辺がいいですが、窓をあけることは出来ますか。
窓を動かすと、枠や桟がコップの表面に映っているのがわかります。
模様が複雑になるのが嫌な方は、窓やカーテンの場所を工夫してみましょう。
コップをやや見下ろして描きましたが、なかなか形を捉えるのが難しいです。
イーゼルを使って紙を起こしてかくと、描きやすくなります。
希望者に貸し出しますのでご連絡ください。
先生の絵はまだ完成してません。
グラスの底のところが、日中の時間帯で見え方が変わるし、どちらの描き方がガラスのコップらしいか迷いました。
「こんな感じ」というのは描けたと思うので、迷ったまま終えています。
※最後
鉛筆はHがいいでしょう。影が濃いところはHBを使うのがいいでしょう。
輪郭をかくのでなく、陰影を描くように。
消しゴムは、ねりゴムをねって、こすらずに押すようにして鉛筆の黒鉛を練りゴムに移します。
(紙が痛むので、押すのがいい)
普通の消しゴムは、カッターナイフで切って角を出します。
また、白くて細い線などは、薄く切って使います。
(カッターナイフを使う時は怪我に気を付けてください。机を傷つけないように、不用な雑誌の上などで切りましょう)