おはなしの絵 (幼児) 2021.11.10

11月の幼児クラスの1回目は、おはなしを聞いて、思い浮かんだ景色を描きました。

 

 

お話の舞台は台所の片隅。

登場は、主役が球根。そのほかに、鍋、おたま、包丁、たまねぎ、じゃがいも、にんじん、カレーなど

作品

きゅうこんくんの ともだち                        原作・真紀文絵 

改作・岩崎京子

 

ここは キッチンの すみ。

買物袋の かげに かくれて なにか コロンと ころがりました。

「ここは どこだろ~? なんだか いいにおいも するな~。」

きょろきょろして いるのは 球根くんです。

 

キッチンのコンロでは おおきな お鍋で カレーがつくられていました。

おなべさんが いいました。

「おや そこの ちいさいの!おまえさんは このとびきり おいしい カレーに おかあさんがいれわすれた たまねぎの ちびちゃんか?」

 

「ぼくは ちびちゃんじゃ ないけど・・・

ともだちが みあたらないんです。どこに いるか しりませんか?」

と、きゅうこんくんが ききました。

「そうだな~ 君のように、かおに どろが ついてて ちゃいろいのは

みんな そこにおいてある だんボールばこの なかにいるから、探してごらん。」

と、おなべさんが おしえて くれました。

 

「こんにちは!! だれか いますか?ぼくの ともだちに なって ください!!」

きゅうこんくんは はこに むかって よんで みました。

 

箱の 中では たまねぎさんと じゃがいもさんとにんじんちゃんが ねむって いました。

 

きゅうこんくんの こえで じゃがいもさんが めを さましました。

「おやおや、えらく ちいさいのが やってきたな~。

おいおい、たまねぎさんよ、おともだちのようだよ。」

 たまねぎさんと にんじんちゃんも めを あけました。

 

「ぼく、きゅうこんです。ともだちに なって くれませんか!?」

と、きゅうこんくんが いいました。

「おやすい ごようだ。」と、おおきくて りっぱな たまねぎさんが こたえると

「わたしたちは みんな ともだちよ!」

そう いって にんじんちゃんは ホホホと わらいました。

 

「おれたちは、みんな ともだち。みんなの ゆめは とびきりの カレーに なる ことさ!」

と たまねぎさんが いいました。

「でも シチューも すてきね。」にんじんちゃんは うっとり。

「コロッケも いいよな~。 おれたちが いたら なんでも おいしい メニューに へんしんするんだから。」じゃがいもさんは じしんたっぷりに いいました。

 

「へんしん?どうやって?」きゅうこんくんは たずねました。

「まずは たわしで ごしごし。それから おみずで じゃーっと あらって もらうんだ。」

「ぴかぴかに なって きもちいいのよ~。」

「かわも はがして もらって すっきりだ。」

「ええ~~!この かわを ぬいじゃうの!?」きゅうこんくんは こまりがお。

 

「おつぎは いよいよ ほうちょうさんの でばんだ!」

「きれいに、かわも むいて もらえるの。」

「トントントンとね~。」みんなの はなしは とまりません。

きゅうこんくんは いまにも なきだしそうです。

 

キッチンは カレーの いい においで あふれています。

「なんて すてきな かおりだろ~。おれたちも あんな カレーに なりたいな~。」

たまねぎさんが そう いうので、

みんなは カレーの ようすを みに いく ことに しました。

 

「きょうの カレーは とびきりの じょうできだ!これも みんなの おかげだよ~。」

おなべさん おたまちゃん ほうちょうさんが はなしています。

おなべさんが きゅうこんくんをみつけていいました。

「おやおや そこにいるのは さっきの おちびちゃんだね。ともだちが できたようだな。」

 

ほうちょうさんも キラッと ひかって いいました。

「あしたは きっと コロッケだ。おいしく へんしんして くれよ~。」

きゅうこんくんは おそろしさのあまり きを うしなって

キッチンの まどから ころがりおちて しまいました。

 

「お~い。きゅうこんく~ん!!」

「だいじょうぶ?」キッチンの まどから ともだちが おおごえで さけびましたが

へんじは ありません。

 

きゅうこんくんが おちた ところには 

たまねぎさんより ちいさいのが 1 2 3 4・・・

みんなで ちからを あわせ じめんに あなを ほって いました。

すぐに きゅうこんくんのともだちに なって くれそうです。

「さあ きみも ここに あなを ほってね。

もうすぐ ゆきが ふって くるから いそがなきゃ。」みんなが いいました。

 

あれから なんどか ゆきが ふり

きゅうこんくんたちも すっぽり ゆきの なかに うもれて います。

 

やがて あたたかい はるの ひざしで ゆきが とけ

つちの なかからは みどりいろで つやつやの めが でて きました。

 

 

きゅうこんくんは りっぱな チューリップの はなを さかせました。